感染リスクの評価方法について

この投稿では、通学によって新型コロナウイルスに感染するリスク(危険性)について、本校がどのように評価しているのかをご説明します。

皆さんのご理解の助けになれば幸いです。

なお、私たちはリスクマネジメントや危機管理の専門家ではなくデザインの教員ですので、感覚的なところも多分にあることをご了承ください。

3つの要素を掛け合わせて考えています

リスクとは「予測できない危険」のことですが、一般的に、その大きさは「発生確率 × 発生した時の影響の大きさ」で計算されます。

例えば、「飛行機墜落事故で死亡するリスク」は「ほとんど墜落しない × 墜落すれば死亡する = 飛行機が墜落して死亡するリスクはほとんどない」と考えられています。

私たちは、通学する学生(通勤する教員、以下同じ)が、ウイルスに感染するリスクを、次のように3つの要素を掛け合わせて考えて評価しています。

感染リスクの大きさ =
感染源に遭遇する確率 × 感染源からウイルスに感染する確率 × 感染した時の被害

1.「感染源に遭遇する確率」とは

感染者やその飛沫などに遭遇する確率のことです。

「感染者」は、検査を受けて入院している人だけではなく、感染してまだ発症していない人や、無症状病原体保有者(自覚症状が現れない感染者)も含まれるため、通学中にそれらに遭遇する可能性があります。
また、感染者が触った手すりやドアノブなども感染源になり得ます。

この確率は、主に次の情報をもとに解析・評価し、対策を策定しています。

  • 県内、市町村の感染者数
  • クラスター感染の内訳(職場/家庭/交友関係)
  • クラスター感染が感染者数に占める割合
  • クラスター感染の発生場所
  • リンクが辿れない孤発例が感染者数に占める割合
  • 対象市町村の生活面積に対する人口密度と感染者密度
  • 県内の実効再生産数
  • 学生へのアンケート
  • 各種ニュース など

次の情報は、参考になるほどの十分なデータが存在しません。その為、現時点では、少ないデータをもとに大まかに推計するに留めています。

  • 無症状病原体保有者(不顕性感染)の数と、地域における分布
  • 自宅療養者の数と、地域における分布

2.「感染源からウイルスに感染する確率」とは

上記の感染源に遭遇してから、ウイルスを体内に取り込んで感染する確率のことです。

感染源に遭遇し、自分の手指にウイルスを付着させてしまったとしても、適切な手洗いによってウイルスを洗い流したり不活化すれば、ウイルスに感染する確率を下げることができます。逆に、手を洗わずにその手でお菓子を食べれば感染する確率は上がります。

この確率は、いわゆる3密の回避、ソーシャルディスタンシング、手洗いや消毒といった各種の対策によって大幅に減らすことができます。私たちが関係者の皆さんと共に対策することで大きく変化する確率です。

この確率は、主に次の情報をもとに評価し、対策を策定しています。

  • 各種調査のデータ(厚生労働省、WHO、CDC)
  • 専門家会議による発表
  • CDC論文
  • 各種ニュース など

3.「感染した時の被害」とは

感染者当人にとっては「大きな恐怖、苦痛、同居家族などに感染させてしまう不安」、本校にとっては「休校措置や各種対応を含めた被害」のことです。

本校ではこのような事態を避けるべく対策を行なっていますが、感染が発生した時に被害を最小限に抑えるための対策も計画しています。

どれか一つで評価することはできない

以上の3つの要素を掛け合わせることで、学生が通学するに十分な安全が確保できているかを評価しています。どれか一つだけを見て評価しないよう注意しています。

例えば、「学生が通学中にどんどんウイルスに感染したらどうしよう」と「感染した時の被害」だけを考えた場合、恐ろしくて学校の運営などできません。
しかし、それは「感染源に遭遇する確率」や「感染する確率」を全く考えていないため、正しい考え方ではありません。

また、「山形県は感染者が少ない。通学中に(感染源に)出会うことなんてほとんどないから特に対策しなくても大丈夫だろう」と考えるのも正しい考え方ではありません。
自宅療養者や無症状病原体保有者の数がわからない上、少ない確率とはいえ、感染源に遭遇した時、「どの程度の確率で感染するのか」を何も考慮していないからです。

必ず、三つの要素を掛け合わせて評価する必要があります。

もっとも、飛行機墜落事故の計算式と同様に、新型コロナウイルス感染の計算式にも「感染した時の被害」にすでに大きな数が入っています。

したがって、「感染源に遭遇する確率」と「感染源からウイルスに感染する確率」がどの程度あるかを、各種データを考慮し評価し、最終的な感染リスクを導き出し、各種対策を決定しています。

変化する状況を考慮し、随時評価を行なっていきます

以上が、私たちの感染リスク評価の基本的な考え方です。

新型コロナウイルス感染症は、世界的規模では終息に向かい始めているように見えますが油断はできません。随時評価を行いつつ、適切な判断・対応を行うよう努めてまいります。

参考:私たちが参考にしている主なデータ

私たちが参考にしている主なデータは次の通りです。

新型コロナウイルス感染症に関連するポータルサイト:山形県ホームページ

新型コロナウイルス感染症について:厚生労働省

新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について:文部科学省

Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) | CDC

Coronavirus Spotlight – Emerging Infectious Diseases journal – CDC

新型コロナウイルス感染症まとめ – Yahoo! JAPAN

新型コロナウイルス 国内感染の状況 |東洋経済オンライン

Rt Covid-19 Japan: 都道府県別新型コロナウイルスの実効再生産数

新型コロナクラスター対策専門家 | Twitter

コロナ専門家有志の会 | Twitter